借家権の対抗力は「引渡し」

民法の原則では、賃借権を第三者に対抗するには登記が必要です。しかし借地借家法は借主保護のため、 建物の引渡しがあれば、その後に建物を取得した新所有者にも賃借権を対抗できるとしています (借地借家法31条)。「登記がないと対抗できない」という選択肢は誤りです。

期間と更新のルール

  • 期間を1年未満と定めた建物賃貸借は、期間の定めがないものとみなされます (定期建物賃貸借を除く)
  • 期間の定めがある場合、貸主が更新を拒絶するには期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に 通知し、かつ正当事由が必要です
  • 通知をしても、期間満了後も借主が使用を続け、貸主が遅滞なく異議を述べなければ 更新したものとみなされます(法定更新)
  • 期間の定めがない場合、貸主からの解約申入れには正当事由が必要で、 申入れから6ヶ月経過で終了します(借主からは3ヶ月・民法617条)

正当事由は、貸主・借主の建物使用の必要性を中心に、立退料の申出などを総合考慮して 判断されます。「立退料さえ払えば正当事由になる」は誤りです。

造作買取請求権は「任意規定」

借主は、貸主の同意を得て付加したエアコンなどの造作を、期間満了時に 時価で買い取るよう請求できます。ただしこの規定は特約で排除できます (「造作買取請求権を認めない特約」は有効)。 一方、更新拒絶の要件など借主に不利な特約は無効、という強行規定との対比が頻出です。

定期建物賃貸借

  • 公正証書等の書面(電磁的記録も可)で契約し、更新がない旨を定める
  • 契約前に「更新がなく期間満了で終了する」ことを書面を交付して説明(説明がなければ 更新がない旨の定めは無効)
  • 期間1年以上の場合、期間満了の1年前から6ヶ月前までに終了通知が必要
  • 期間を1年未満と定めることもできる(普通借家との違い)

普通借家と定期借家の違いを対比で整理しておくと、正誤判断が安定します。